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1979年型Z1000(KZT00A)のレストア

分解・準備編

   Kawasaki Z1000 1979年型 ヨーロッパ仕様

 Z2(750RS)とマーク2ってとっても市場相場が高くて買えない。
ナゼにこんなに高いのだろうか?
画像のバイクは国内輸入時の規制をクリアするためバイクの形しているだけで実際はバイクではない完全レストアベース車。部品取り車でもない。
お値段は流通している実動車の1/3ってとこ。

では少しトベース車の定義を説明すると、コレを直して乗るとかそうゆう問題ではない。サビを落としてとか綺麗にしてからとかそう言った問題でもない。レストアベース で安いからチョットづつ直しながら乗ろうとかそんなお話でもない。とにかく全部バラバラにしてもう一度動くように組み立てなおすのがレストアベース車と思ってれば後悔はないだろう・・。


 


    まずはエンジンかけてみる


エンジン全バラ前提の不動バイクってことで買ったので掛かる訳ゃないんだけど、バラす前にセルやキックでクランキングしておけば各部分の消耗度合いがある程度判る。

部品は一通り揃っているように見えるが、実際は使えない物が多い。(特に電装系)

結局、キックが降りて圧縮がある以外何も判らなかった のだが、その後、キャブ、点火系、セルモーターを自分の手持ちのパーツに交換したら難なくエンジン始動にこぎつけた。だけど動いただけで走る事とは別のおハナシです。

   

 


     最初は、外装、電装系、ブレーキ系の取り外し

 

 画像が暗すぎてスミマセン。

外装外したら、メーター、ウインカー、点火系補機、スイッチ類、バッテリーケースなどの電装系、ブレーキ系の取り外しに掛かる。

 

 

 

 
      次にエンジンの取り外し

 

 通常Zのエンジン脱着は2人がかりでやるのだが、一人でやる場合は腰上部分と腰下部分に分けて行う。

ヘッドカバーを外すとカムとシムのあたりにグリスが付着している。なんか変だ。カムシャフト、シリンダヘッドを外した。

 

 

 

  画像は露出したピストン。カーボンの付着が少ないのでので前回のOHから距離を走っていないと思われる。1番のピストンだけナゼか新品。シリンダの径は70mmスタンダード。ホントはボーリングしてオーバーサイズ組まなきゃいけないのに前回は手抜きしたらしい。

液体ガスケットで固められた真ん中のカムチェーントンネルの特殊形状Oリングはなんと再使用された物である。
チャッチャッと外してしまったので気づかなかったがスプロケやガイドなどカムチェーン周りの消耗部品はすべて再使用されていた。

消耗パーツの再使用は使える物ならいいけど、このエンジンについてた物はすべて逝っちゃったものばかりだった。

 


 

クランクケースは外せるところはすべて外して一気におろす。一緒にオイルパンも外しておけば、おろした後オイルまみれにならない。

結局このエンジンはバイクの形にする為だけに組まれた物と推測。

詳しくはZ1000エンジンOHをご覧ください。

 


      最後は足回り

 

 センスタ立ててリア、フロントステムの順で取り外していった最後の図。

フレームはタンデムステップの廻り止めが欠損。リアウインカーホールが加工されていたので純正と同じ仕様に戻し、フレームの状態点検と補強のために横浜市のモリヤマエンジニアリングへ持ち込んだ。

このショップの信頼度は前回のZ1R2のフレーム補強で実証済み。

 

 

 

 

補強処理が終わって帰ってきたフレーム。

スイングアームとリアショックが付いているのはレイダウンの位置合わせのため。

Z1の流れをくむ最終型フレームなので13点補強は行っていない。


 


      パーツの再生
 

 

 

スケルトンにて塗装はがしを行った。

オイルシール類は新品に近い物と交換されていたのでそのまま使う。

 

 

 


  MK2純正の色指定はトップブリッジ、ハンドル周りのパーツが「つや消し黒」で右端のバッテリーケース周りが「つやあり黒」である。

かごの中にはついでにZ1Rのパーツもまぎれている。画像中央のミラーホルダーはヘリサート処理をした。

 

 

 

 

 

 これらのパーツはアウトプットシャフトギア。
ドック部などのチェックがてらOHする。ミッション廻りも欠品パーツが目立ってきた。

 

 

 

 


 


     欠品部品の作成

 画像はライトのブレを抑えるステーなのだが、中央のアルミ地のステーは欠品だったのでアングルを加工して自作した。

すでに車体の生産終了から27年程経っているのでない物は作るしかない。



 

 

 




     各部品の塗装・仕上げ

 

エンジン塗装

エンジン熱で焼付けができると言われているPJ1を使用した。

 

 

 

 

ロアー側

全部で4本使用した。

 

 

 

 

 



 スイングアームの塗装。

予算不足で自分で塗るハメになった。

ほかにフロントとリアのブレーキキャリパーもツヤ消し黒で塗装。

 

 

 



ライトケースは修正後塗装した。

 

リムはキズだらけ、ライト本体は中が錆びていて使用不可能なのでリプロダクション(再生産製品)と交換する。

 





  

 

ホイールは純正のカラーリングで塗ったのでマスキングが大変だった。

ベアリング、オイルシールは新品。

ボルトやカラーの錆び落しにも苦労した。

 

 

 

業者から上がってきたフレームが届く。

種類は紛体塗装を選んだ。

 

 

 

 

 

 

フロントフォーク廻りの組立。

ボトムケースは純正指定のつや消しブラック。

オイルはベルレイの15番

 

 

 

 

 

 


     下準備
 
ボロボロでサビサビだったフロント廻りのパーツ類。

 

 

 

 

 

 

 

 

メーター廻り一式の部品。

メーターステーはオリジナル。メーター本体はスピード、タコともPMC。

インジケーターの表示はニュートラル、ハイビーム、オイルプレッシャの3点のみになってしまった。79.80年式のZ1000はストップランプインジケーターが省略されている。ターンシグナルはもちろん付いている。

PMCの電気タコはレッドゾーンが9000rpmなのでマーク2に流用する場合は注意。

 


ガソリンタンクに付く部品たちの準備。

コックやキャップは付いてた物をOHしたのだが、やはり欠品パーツが多い。

マーク2の燃料コックは負圧式なので構造がやや複雑。


 

 

 

 

クランクケース関連のボルト。

クランクシャフトのホルダーなどに使うM8ボルトは純正部品が取れたが、クランクケース上下をつなぐM6のフランジボルトのほとんどとオイルパンを止めるM6フランジボルトの一部はすでに販売終了の憂き目に遭っていた。

仕方なく画像左の社外品を使うハメになったのだがのちにとんでもない大騒ぎになった。

 


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