Garage JUNK BOX
Kawasaki Z1R-U1980 Model

Restore Report


Restore the fuel tank comp.
エガソリンタンクのレストア


タンクのレストア

キズだらけのタンク。結構磨いたけど、塗装が古くてあんまり綺麗にな らない。このバイクを買った時より気になっていたのだが、タンクの上部が異様に盛り上がっている。これって外人さんが好きなカスタムなのかな? 最近、パテ盛りしていたと思われる部分にクラックが出来てきた。タッチアップすると目立たなくはなるんだけど、ワックスかけるとクラックに入り込んで白い線が目立ってしまう。

クラックだけ直して色塗り替えてと思っていたんだけど、どぉーもタンクの上部が気になる。この際だから直してしまえと塗装の剥離からはじめた。またもや苦行の始まり。いつものスケルトンって剥離剤で塗装をはがす。この剥離剤は痛いんだけど最強。(エンジンハンガーのレストアを参照ください)少し経つと塗膜がちぢれて来て・・・。あれれ?。いつもの気味悪いが面白い光景に出会えない。よく見ると、塗膜が幾重にも塗り重ねられていて、おまけにその間には分厚いパテのてんこ盛り。タンクを見ると、いつもスケルトンを使うとき味わうのと違う、ホントに気味悪い光景が・・・。ウロコ。鱗。キンギョの松かさ病みたいなタンクになってしまった。

気持ち悪いので速攻でタンクに付着しているものすべてをサンダーで削ぎ落とす。最後のほうでオリジナルらしき塗装も出てきた。金赤(っていうか黄赤)のピンスト発見。こーいった物は古代遺跡なんかだと、大変な騒ぎになるのだろうが、なんてことはない。たかがZ1Rのタンクである。塗装の足付けがわりにサンダーの餌食にしてやれ。しかし、いままで何回再塗装したのだろうか? やっぱり、上部はすべてパテ盛だった。ここまで盛るのは何か理由があるのだろうか? 右サイドにいくら削っても地金が見えないところがあった。ここはクラックの発生場所でもある。何 やらいやな予感。ついでに本塗装が終わってからでは出来ないので、この時点でタンク裏側に防錆とリフレッシュをかねてつや消しブラックを早めに塗装しておいた。

タンクは右側が見事にへこんでいた。それも角の部分。なので、 サイドが押された分、上部が多少盛り上がってる。そうか!パテ埋め箇所がたくさんあったのここの修正のためだったのか。後ろから叩ければなぁ。燃料ゲージを外せば何とかなるかと思ったが、燃料ゲージを外しても角度がきつすぎて後ろからたたくことは出来そうにない。なのでパテ盛(ポリパテ)をして修正する。他の小さなヘコミもパテを厚めに埋めていった。使ったのはホルツの気泡入りのパテ(緑の缶)とソフト99の厚付けパテ。このときパテはケチらないで面積は広く、分厚く盛っていく。

ついでに内部のサビ取りを行う。色々と錆取り剤を検討したけど、最終的にワコーズのピカタンZに決定。理由は希釈度合いがZ1R-2のタンク容量とマッチしてい て、錆びとりとコーティングを同時にやってくれるから。処理がめんどくさい2液式とかフッ素系のコーティング剤ではないのも理由の一つ。どろどろした液体をタンク内側に塗りたくるバイク雑誌の特集を見かけたが、あとでガソリンで溶け出しそうでどうも不安だった。

使って感じたのはこのタンクは錆も少なく程度もいいのだが、あまりサビサビがひどいのだと大丈夫かな?ってかんじ。それと原液が赤茶色なので、錆がカタマリで取れない限りどの位取れているかがよく判んない事だろうか?  お湯で割って使うと効果的ってことだったのを、忘れて水を使ってしまった。なので24時間の放置時間を48時間にした。燃料ゲージは付けたままでOKらしい。コックは外してガムテープでぐるぐる巻きにしてやった。おまけにタイラップで締めて完璧だ。この希釈液は、とっておいて 、2-3回は再使用できるそうだ。処理前と処理後のタンク内の画像を撮り忘れてしまったのが残念だが、茶色っぽいさびが完璧になくなって金属色が蘇った。

そのままパテを乾かすために2週間(完全に硬化させるなら、一ヶ月以上が適当)ほど放置してパテの整形に取り掛かった。ペーパーは#320-#1500を段階的に。研ぐときは必ず当て木を使い、手のひらや指の腹は間違っても使わない。柔らかいものを当て木に使うと表面がデコボコになってしまう。研ぎが終わって整形がうまくいったと思ったら、サフェーサーを吹いて塗料の下塗りをする。黒 や赤などの濃い淡色はサフェーサ不要といわれるが、最近のサフェーサーは薄付けパテの役割も果たしてくれるので非常に便利。サンダーの刃の跡も簡単に埋めてくれる。色も引き立つので使うべきである。

本塗装をする前に塗装面がデコボコしていないかよく確認する。Rが均ーか、ヘコミが取りきれていないか、高性能な最終測定器である”人間の目”を使って確認していく。納得いかない時は修正してまた下地処理を行う。ここで妥協してしまって先に進むともう後戻りが出来ない。

 

サフェーサーが完全に乾いたら、いよいよ覚悟を決めて本塗りに入る。風上から前、後ろ、横(左右)、上の順で塗っていく。この順だと塗料が無駄にならないし、局部的な厚塗り(タレ)を避けることができる。ラッカー缶スプレー1本 が終わったら、Z1R-2純正色である、ディトナのカラースプレー「エボニー」を少量適当に(1/4缶位だろうか)吹いていった。もし、不運にも塗料がタレてしまったら塗装を中止し、乾くまでまってタレた部分をサンドペーパーで削り取ってから塗装再開。

黒色塗料が半乾きになるのをまってラッカークリアーを塗装する。クリアーの塗り方は塗料がタレはじめる直前まで同じ場所へ重ねて吹いていくことがポイント。 ボツボツしたミカンの皮みたいな塗装になってしまうのは、缶スプレーを離しすぎて塗装したために起こる現象。ここの工程がうまくいくのといかないのとでは、後のコンパウンド処理にかかる手間が雲泥の差である。ラッカークリアーは一本半から2本吹い た後、塗膜がある程度乾くのをまってから、純正カラーにこだわってドレミコレクションのZ1R2ラインテープでピンストを入れていった。これは一本物の安物ラインテープだがコツを掴めば切断せずにきちんと曲げて貼っていく事が出来る。


ラインステッカーの貼り具合をみて問題なければ、もう一本ラッカークリアーを塗装する。丸1日置いて塗装が乾いたら仕上げと耐ガソリン処理を兼ねてソフト99・2液タイプウレタンクリアーを一本使って塗る。ウレタン塗料はラッカーよりも光沢が出やすく耐ガソリン性もよいが、乾燥するまでに大変な時間を要する。ウレタン塗料が乾ききっていないままバイクカバーなんか掛けてしまうと次の日にはカバーの布地の網目が見事に塗りたてのタンクへ転写されてしまう。塗装後 の乾燥は細心の注意が必要である。次の作業はウレタン塗料が完全に乾ききってからコンパウンドで磨いてツヤを出していく。


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更新日:2004/1/11

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