Garage JUNK BOX
Kawasaki KZ1000 1979,1980 Model

Restore Report


Restore the engine bracket.
エンジンブラケットのレストア


 

  誰でも出来るレストアの紹介。配線が通っているわけでもなく、ただの鉄製ブラケットなので簡単。この方法でバッテリーケースや小物などの再塗装が手軽に出来 る。今回のネタはエンジンブラケットとも言われてるエンジンハンガーの再塗装。エンジンブラケットとは、曲がりやすいって言われてる三角形のプレート2個とブラケット2個。フ レームとエンジン止めてるパーツ。


これがエンジンブラケット
判りました?

Z1/Z2など丸Z用はエンジンマウントの形状はおんなじですがサイドカバーグロメットの穴がありません。
Z1R1/Z1R2/Z750FX/Z1000mk2など角Zにお乗りの方はご注意を。

 

まずは塗装の剥離から。ガリガリとサンドペーパーで足付けして上から塗装ってのもあるんだけど。仕上はあんまりよくない。この方法は2年ほど前にやって見た。旧塗装や木の根っこ状に広がる錆びで段差が付いちゃって見てくれが悪い。綺麗に仕上げるには古い塗装を前部剥ぎ取って地金を磨きなおしてから 塗装しなおすほうがいいと思う。剥離の方法もいくつかあって、サンドペーパーで全部の塗膜を削りとるのは大変だ。ブラスト出来ればお手軽で早いんだけ
ど我がガレージの環境では剥離剤使うのが精一杯。まあ、フツーの人はブラストブースなんて持ってないでしょ。実際。(←ひがむなっての)
 

 

前の塗装の上から
新しく塗っちゃうとこうなっちゃいます。


塗装の剥離にはスケルトンて剥離剤を使う。この剥離剤、ホームセンターなんかで売ってる剥離剤なんかと比べると笑っちゃう威力。一缶で普通の剥離剤3本分に相当し、人体への悪影響より、剥離力を優先した逸材である。劇薬なので取り扱いに注意。皮膚に付くと刺すように痛み、目に入ったら即手術です。気管支に入ったら息が出来なくなってて死にます。オーバーな話じゃありませんよ。覚悟を決めて買いに行きましょう。

雨の日は使えません。水や湿気で剥離力が極端に落ちます。晴れた日か、曇っている日にしましょう。

 

水色のドロドロとした液体をパーツに塗って少し経つと塗膜がちぢれて来てベロベロと剥がれる。気味悪いが面白い光景が目の前に広がっていきます。そしたら手際よくスクレパーみたいなツールで塗装を削ぎ落とす。頑固なところは真鍮ブラシやワイヤブラシでこすると取れます。取れたら水でジャブジャブ洗って残りカスも徹底的に落とす。幾重にも塗装が重なっているときはこの作業を数回繰り返す。水でぬれたパーツが乾いてから繰り返すと効果てきめん 。

 

 

では、気味悪いが面白いショットをもう一度。

 

 

 

 

 

 

 

完全に剥離できたら塗装の下地を作る。やすり、サンドペーパー、ワイヤブラシなどを使って錆びや旧塗装を落としていく。アセって塗装工程に突入してははいけ ない。ヘコんでいる所はパテを盛って修正すると良い。このとき薄付けパテ(ラッカーパテ)は使わないほうが良いです。薄く盛っても厚付けパテ(ポリパテなど)を使ったほうが無難。厚付けといってもうまくこねれば気泡は出来 ない。サフェーサーを軽く吹くのも良いでしょう。行程としてまだ先は長いけど、ここで手を抜くと段付き塗装になってあとでヒジョ−に後悔する。この作業以降は後戻り出来 ない。
 


 

 

 

 

 

下地が出来たら脱脂してプライマーを吹く。本来、プライマーって鉄には必要なく、アルミやその他の非鉄金属に必要なのだが、これを吹いておくと仕上がりが綺麗 。


小物はぶら下げて塗ると綺麗に塗れます。

30分ぐらい放置後、(目立たない所を触ってみてプライマーが手に付着しなければOK)今度はブラックで本塗りする。缶スプレーはシャーシブラック※1以外なら何でも良い。当ガレージではホームセンターで売ってる一番安い(200円)ラ ッカースプレーを使っている。

参考までにお勧めはロックペイントのラッカースプレー、今まで試した中で一番色ツヤが長持ちする。揮発性が大変高いので旧塗装への上塗りは要注意。次に関西ペイント(カンペパピオ)ですね。アトムペイントのアクリルラッカスプレーはツヤは半端じゃなく良いんですが、乾燥しにくく、揮発油※2どころかCRCやエンジンオイルにも大変弱い 。
また、ツヤ消しもシックな雰囲気でいいのですが汚れが付きやすく拭き取りにくいですしひび割れしちゃうのであまり厚塗りも出来ない。

※1 シャーシブラックには剥がれやすい水性塗料やタールが混ざっている物もあるのでバイクの塗料としては不向き。
※2 揮発油とはガソリン、ベンジン、アルコールなどほうっておくと蒸発してなくなってしまう石油類の事。

塗料が生乾きになったらまた塗る。(2度塗り)これを何回か繰り返せば、缶スプレーでも結構いける。
一週間くらい放置してシンナーの匂いがしなくなったら完成。
 


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更新日:2004/03/15

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