Garage JUNK BOX
Kawasaki KZ1000 1979,1980 Model

Maintenance Report


How to breeding the brake line.
ブレーキラインのエア抜き


ブレーキのエア抜きって面倒ですよね?

 ブレーキオイル (以下 ブレーキフルード )交換や単なるエア混入の場合はそうでもないんだけど、特にブレーキマスタやキャリパの交換やOHなどをした後なんかだとブレーキライン内部は空気の方が多すぎてなかなかエアが抜けてくれない。注射器なんか繋いで負圧掛けてもなかなか抜けきらないし、一緒に排出される高価なブレーキオイルが勿体無い。残留エアーがリザーブタンクから自然に抜けるのを待っていたら完了が何日、いや、何週間先になるのかわからない。ブレーキレバー(ステップ)とブリーダーバルブの両方へ手が届く構造のオートバイでワンウエイバルブやバキュームポンプのついたエア抜きセット買うのも勿体無いお化けが出そうだ。そこで今回紹介させて頂く方法は自然の法則を利用した確実でもっとも速いやり方です。サンプルは AP ロッキードのキャリパですが、ノーマルでもやる事は同じです。


ブレーキフルードについて

 例外もありますが、一般にブレーキフルードの主成分はグリコールで出来ています。グリコールは低分子アルコールなので油脂質が主成分のエンジンオイルと同じ物ではありません。どちらかと言うとラジエターの中に入っているクーラントに近い液体なんです。(ってことはお酒のワインにも近いんだろうか?)低分子アルコールは水分と結合しやすいので湿気が多いところに放置すると白く変色してしまい使い物にならなくなってしまいます。尚、グリコール以外では液体シリコン系(名称判明せず)が主成分として使われるそうですが、そこらへんは勉強不足でよくわかりません。だだ、

「ブレーキオイルは絶対混ぜるな!!」

と言われるのはそんな理由から来てるのでしょう。「グリコールが主成分のブレーキフルードなら混ぜても大丈夫か?」の質問には「他にも製造会社ごとに違ういろんな物質が入っているからやっぱ混ぜない方がいいっすよ」と回答しておいて、ブレーキフルードに湿気や水分が混入していない事を前提として

「ガンガン混ぜる」

ことでしょう。でも同じDOT数ってのが条件です。ブレーキオイルが黒く変色するのは経年変化や劣化ではなくて、シールのゴム類がブレーキオイルの成分で溶けているんじゃないかなって思います。なぜならば、ブレーキフルードの汚れと比例してゴムパッキン類の劣化が激しいからです。こんだけの理由じゃあまり根拠になってませんねぇ。最後に味は辛味成分が強いです。間違っても酒の味はしませんでしたよ。目に入ったことはまだありません。ちなみにガソリンは目に入るとすんごく痛いです。(泣)


注意点

ブレーキキャリパ

ブリーダーバルブが締まっていてディスクローターを挟んでいない状態でブレーキレバー(ペダル)を握っては(踏んでは)いけません。厄介なことになります。

ブレーキフルード

リザーバータンクの付近などは濡らした雑巾などで養生をしましょう。ブレーキフルードは塗膜を傷めます。
ブレーキフルードが飛散した時はすぐに水で流しましょう。ブレーキフルードは容易に水に溶けます。
ブレーキクリーナーは付着する場所よっては部品や塗装の劣化を招く事になるので使ってはいけません。
ブレーキフルードに関わる整備をした後は必ず洗車を心がけよう。
エア抜きの際に排出されたブレーキオイルの再使用はしてはいけません。エア混入の原因となります。勿体無いけど水に流して捨てましょう。
保管時はフタをキツク閉めてなるべく乾燥した所に置きましょう。

エア抜き道具

ここではただの耐油ビニールチューブを使っていますが、すぐに劣化して固くなってしまいます。そんなチューブをブリーダーバルブへ取り付けると何かのはずみで外れてしまってブレーキフルードをまき散らすという恐ろしい結果になります。なので300円位で購入できるので劣化の少ないシリコンチューブを使いましょう。(爆死)


実際の作業

画像のようにキャリパーをマスターに装着されているリザーバータンクと同じ位置にする。
ダブルディスクは片側(右側)だけでOK。
リザーブのカップへブレーキフルードをナミナミと注ぎいれる。
以降の作業中に決してブレーキフルードを切らせてはいけません。

5分ほど放置した後、キャリパーに付いているブリーダーバルブを緩める。
すると勝手に空気だけが排出されます。
ダブルディスクも不思議なことに反対側キャリパ内のエアーも抜ける。
この現象をサイフォンの原理って言ったっけかな?
間違ってたらスミマセン。
気泡が排出されると共にブレーキフルードがどんどん減っていくので注ぎ足しを忘れないこと。

気泡がなくなったらそおっとブレーキレバーを数回握る。
この時キャリパーのピストンが動いてしまって、出てきそうになったらすぐに止めます。(もしピストンが爆発したら一巻の終わりになるので注意しましょう)
ブリーダーバルブを締めてキャリパーを元の位置に戻し、後は普通にエア抜きをしてブレーキレバーがカチカチになったら完了。
リア側もまったく同じ要領で作業が出来る事でしょう。

当ガレージのエア抜き道具は極めて簡単で安上がり。
いまだにワンウェイチェックバルブが必要になった事はありません。
クルマの整備の時は嫁にブレーキペダル踏ますし。
ボトルを少し握ってからチューブを取り付けるのがポイント。


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更新日:2003/08/19 2003/08/22  2003/09/05  2003/10/06

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