Garage JUNK BOX  
Kawasaki Z1000 1979,1980 Model
KEIHIN CR special Report


CRスペシャルセッティング資料


CONTENTS

1.混合気濃度における季節・天候・場所の相対関係
2.スロットル開度における各セッティング部品の機能領域
3.現象別による対処方法   
4.セッティングパーツ変更と混合気の変化
5.キャブレターパーツ別機能
6.ジェット関係の種類と番数
7.ジェットニードルの種類
8.キャブレター・セッティング関係用語

1.混合気濃度における季節・天候・場所の相対関係

季節・天候・場所と混合気の相対関係

混合気 濃くなる 薄くなる
気圧 低気圧 高気圧
季節 春→夏 秋→冬
天気
空気密度 薄い 濃い
温度 高い 低い
湿度 高い 低い
高度 高い 低い
キャブ内径 狭い 広い
セッティング 薄くする 濃くする
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2.スロットル開度における各セッティング部品の機能領域

CRスペシャルセッティング部品の機能領域

メインジェット(MJ) ★★★ ★★★★
エアージェット(AJ) ★★ ★★★ ★★★★ ★★★★ ★★★★
JNクリップ段数(JNC) ★★ ★★★★ ★★★★ ★★★
ジェットニードル(JN) ★★ ★★★★ ★★★★ ★★★★ ★★
スロージェット(SJ) ★★★★ ★★★ ★★
スロットル開度 1/8 1/4 1/2 3/4 FULL

★★★★(影響大)⇔(影響小)★  

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3.現象別による対処方法

現象別による対処法
状態 現象 対策 作業 原因
アイドリング・低速時 黒煙がでる
音が重い
エンスト
薄くする ASを緩める
それでも解消しないときはSJの番手を下げる
混合気が濃い
アイドリング・低速時 アフターファイヤ
バックファイヤ回転の落ちが悪い
回転のバラつきが激しい
濃くする ASを締める
それでも解消しないときはSJの番手を上げる
混合気が薄い
アイドリング・低速時 突然回転が上がる
回転を下げると突然エンスト
白煙・紫煙が出る、止まらない

エンジンOH
オイルの粘度を変える

プラグのチェック
ピストンリング類の確認
バルブガイドのオイルシールをチェックする
圧縮を計る
オイルが上がっている
オイルが下がっている
シリンダヘッドの歪み
燃焼室へのエンジンオイル侵入
スロットル急閉時 回転の戻りが悪い 濃くする ASを締める
それでも解消しないときはSJの番手を上げる
混合気が薄い
スロットル急閉時 アフターファイヤ 濃くする ASを締める
それでも解消しないときはSJの番手を上げる
混合気が薄い
スロットル開度
 1/8〜1/2
息つき
ノッキング
バックファイヤ
失速
濃くする JNを細くする
(JNの番手を上げる)
混合気が薄い
スロットル開度
 1/8〜1/2
もたつく
ボコつく
一拍置いてから加速する
薄くする JNを太くする
(JNの番手を下げる)
混合気が濃い
スロットル開度
 1/4〜3/4
息つき
ノッキング
バックファイヤ
失速
濃くする JNC段数を1段下げる
JN番手H、PはYへ、YはYYへ
混合気が薄い
スロットル開度
 1/4〜3/4
もたつく
ボコつく
一拍置いてから加速する
薄くする JNC段数を1段上げる
JN番手YYはYへ、YはH、Pへ
混合気が濃い
スロットル急開時 吹けが悪い・遅い
エンスト・失速
薄くする MJの番手を下げ、JNC段数を1段上げる
JN番手YYはYへ、YはH、Pへ
混合気が濃い
スロットル急開時 バックファイヤ
吹けが悪い・遅い
濃くする MJの番手を上げ、JNC段数を1段下げる
JN番手H、PはYへ、YはYYへ
混合気が薄い
スロットル全開 息つき
ノッキング
バックファイヤ
オーバーヒート
プラグが白い
濃くする MJの番手を上げる
状況に変化が無いときは燃料供給系統の再チェック
混合気が薄い
燃料コックの不具合
燃料供給量不足
燃料フィルターの詰り
スロットル全開 伸びない
ボコつく
吹けが悪い・遅い
パワーが無い
プラグが黒い
薄くする MJの番手を5段階下げて様子を見る
プラグ電極の色がきつね色になればOK
混合気が濃い

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4.セッティングパーツ変更と混合気の変化

セッティングパーツ変更と混合気の変化
パーツ 変更 混合気
JN ジェットニードルストレート径 太い 薄くなる
  細い 濃くなる
            
JNC ジェットニードルクリップ位置 薄くなる
  濃くなる
     
AS エアスクリュー 締める 濃くなる
  緩める 薄くなる
             
SJ スロージエット番数 上げる 濃くなる
  下げる 薄くなる
     
MJ メインジェット番数 上げる 濃くなる
  下げる 薄くなる
     
AJ エアジェット番数 上げる 薄くなる
  下げる 濃くなる
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5.キャブレターパーツ別機能

キャブレターパーツの役割

スロージェット アイドリング時の燃料を計量する。メイン系統とは別ライン
スローエアジェット アイドリング時の空気流量を計量する。メイン系統とは別ライン
エアスクリュー アイドリング時の空気流量を調節する。メイン系統とは別ライン
フロート フロートチャンバに入っているウキ。 チャンバ内の油面を保つ。
フロートチャンバー 各ジェット類への燃料供給の為に燃料を一時的に貯めて置くタンク
フロートバルブ(ニードルバルブ) フロートと連動してフロートチャンバー内へ流入する燃料量を制御する。
フロートリップ フロートバルブとフロートとの接点 油面調整はこれを曲げる
スロットルバルブ キャブレターへの流入空気を制御する。
加速ポンプ 必要に応じて一時的に濃い混合気を供給する。CRには無い
ジェットニードル 混合気の吸出量を調整する
ブリードパイプ 燃料と空気を混合する
メインジェット 燃料を計量する
エアジェット 空気流量を計量する
チョーク・スタータプランジャ メイン、スロー系統とは別ラインで初期始動用の濃い混合気を供給する。CRは物凄く濃いので多用厳禁

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6.ジェット関係の種類と番数

CRセッティングパーツ種類と番数

スロージェット #35〜#80
スローエアジェット #100
ジェットニードル ジェットニードルの種類参照
メインジェット #80〜#230
エアジェット #50〜#280
スタータジェット #45〜#60

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7.ジェットニードルの種類

CR小型ボディ用ジェットニードル(38##番台を除く)

混合気濃度 標準 ストレート径 テーパー角 ストレート径 先端形状 ストレート径
濃い H73

2.735

       
H75 2.755 Y5 2.755 YY5 2.755
    Y6 2.765 YY6 2.765
H77 2.775 Y7 2.775 YY7 2.775
    Y8 2.785 YY8 2.785
標準 H79 2.795 Y9 2.795 YY9 2.795
    Y0 2.805 YY0 2.805
H81/P151 2.815 Y1 2.815 YY1 2.815
    Y2 2.825 YY2 2.825
H83 2.835 Y3 2.835 YY3 2.835
薄い H85 2.855 Y4 2.855 YY4 2.855

CRジェットニードル形状比較とスロットル開度影響範囲
種   類 影響範囲 H(P) YY
全長(実測) - 86mm 86mm 89mm
ストレート径 0〜1/2 2.735〜2.855 2.755〜2.855 2..755〜2.855
テーパー角 1/4〜3/4 浅い(1段階) 深い(3段階) 深い(3段階)
先端部切り上がり 3/4〜FULL
形状(イメージ画像) 準備中 準備中 準備中 準備中
手   順 基本的には標準形状H(P)からセッティングを始めてストレート径を決めたらニードルクリップ段数のセッティングを行う。
注   意

H(P)ストレート径のセッティングの出し方はスロットルを優しく握ってゆっくりと開度1/2まで開いていくことがポイント。
(開け方が急だとクリップ段数の影響が出てしまうので)
ストレート径が決まらないうちはクリップの段数をいくら変えても時間の無駄。
ニードルクリップ段数のセッティングでクリップを変える場所がなくなってしまったら必ず同じストレート径のYへそれでもダメなら同じストレート径のYYへ移行する。

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8.キャブレター・セッティング関係用語

キャブレター・セッティング関係用語

オーバーフロー フロートチャンバ内から燃料が溢れ出る現象。 CRはフローパイプがないので要注意
ぼこつく 急激にスロットルを開けた時、出力が追いついてこない現象
回転 エンジン回転
油面 フロートチャンバ内燃料の液面高さ(フロートレベル)
適正でないと混合気が予想外に変化する。低い→薄くなる 高い→濃くなる
負圧 吸い込む圧力
2次空気  キャブ以降の部品から何らかの理由でエンジンにに入ってしまう空気 
スロー 通常はアイドリングを意味する またはスロージェットの短縮形
アイドリング
(アイドル)
放置してもエンジンが停止しない程度の低回転域
みつまた 三つ又ホースジョイント CR出荷時はひとつだけ
コック 燃料コック 負圧式の場合はプライマリの位置にして調整する。
ジェットニードル
混合比(空燃比) 燃料と空気の比率 一般的には14.5対1が良いとされている
混合気 燃料と空気が混ざり合った状態
段数 ジェットニードル用サークリップ取り付け位置。5段階の溝が切ってある(7段もあり)
ノッキング 混合気の異常燃焼でシリンダヘッド付近より起こる打音
デトネーション 混合気の爆発的燃焼・異常燃焼・自然燃焼 原因は多種にわたる。
パーシャル アクセル開度を一定にする動作 加速もしなければ減速もしない状態
失速 スロットルを開けていてもエンジン回転が停止または停止しそうになる現象
もたつく スロットルを開けたときエンジン回転が一拍おいて上がる現象
バックファイヤ 混合気がキャブレターへ吹き返されて小爆発を起こす現象
アフターファイヤ 未燃焼ガスがエキゾーストパイプやマフラ内で小爆発する現象
オイル上がり ピストンリング類やシリンダ壁の磨耗などでエンジンオイルが燃焼室に残ってしまう現象
オイル下がり バルブオイルシールのへたりやオーバーヒートによる溶解でエンジンオイルが燃焼室へ侵入する現象
パーコレーション 過熱等によってキャブレター内のガソリンが膨張し、スローポートやニードルジェットからしみだして混合気を濃くしてしまう現象。
息つき エンジンがギクシャクする現象 時折バックファイヤが出現する
※何かお気づきの点がありましたらぜひご一報ください。

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