Garage JUNK BOX  
Kawasaki Z1000 1979,1980 Model
KEIHIN CR special Report


CR fine Synchronization Vacuum/Fuel level adjustments
 
CRキャブ同期微調整/油面調整


キャブレター同期について

CRに限らず単気筒エンジンを除いたキャブレターは内圧が同期(4つ共同じ圧力って事)していないと調子が悪い。中古で買ったりしたキャブレターは必ず同期取ってからセッティングを行う。はじめは新品も必要かと思って購入先に聞いてみたが、「大丈夫、すでに同期調整はしてあります」との回答を頂いた。ただ、気になったのは、各気筒吸気行程での負圧力にバラツキがあった場合、キャブが調整されていても同期は取れていないんじゃないかなって事。新品購入時でも気にな んだったら、やっておいて損はない。同期調整の方法は2種類あってバキュームゲージを使った本格的な調整と直径1mm程度の針金を使った簡易同調と2種類ありますので一応両方とも紹介 。


バキュームゲージを使った同期調整(本格調整)

作業準備

エンジンを5分ぐらい暖機運転する。

アイドリングの調整をする。(950-1050RPM)

同期点検

バキュームゲージ。価格は1万円くらいだった。今は(02年06月)小さくて豪華な物がキャリングケース付きで同じような値段で買え る。(ストレート)下のほうに見える白い部品はダンパーバルブと言って針の触れをなくすことができる部品。
エンジンをかける前にダンパーバルブを開放しておく。

インシュレーターに装備されているバキュームゲージアタッチメントのゴムキャップを外してゲージのホースを各気筒接続する。
画像ではフューエルタンクが外されているが、結果が出るまではタンクつけたままでも特に問題ない。当ガレージではメンテナンスとしての同期チェックの時はタンクは外 さない。きちんと同調取れてるときのほうが多いから。

エンジンをアイドリング状態で運転してゲージを見ると針がすごい勢いで触れてる事 だろう。そこで先に紹介したダンパーバルブを絞って針の触れを+-1mm(3cmHg)位にして数値を見る。この時あまり絞りすぎると針が止まってしま う。数値自体は気にしないように。集合管やパワーフィルターなど吸排気系チューンの影響で数値は変わる。重要なのは圧力差。各気筒間の圧力差が2cmHg以内であれば合格。それ以外は要調整となる。

調整手順

フューエルタンクを外して何らかの方法で十分なガソリンをキャブレターに供給 する。トップカバーを外してからの作業となるので少し高めにアイドリングの調整をする。(1500-1800RPM)

エンジンを切ってCRキャブのトップカバーを外す。
以後の作業は、オーバーヒートに注意。

ロックナットを緩めてマイナスドライバでストップスクリュを緩め る。するとスロットルシャフトとリンケージアーム(ロックナットなどが付いてる基台部分)の接合が外れて、スロットルバルブは手で動かせるようになる。書くと簡単ですが、スムーズに作業するには少しコツがい る。

バキュームゲージの針を見ながら手でリンケージレバー(スロットルバルブ)を上下させて他の気筒と指針を同じに する。各気筒でバラツキがあるときは、2気筒目を基準にして調整していくといい。ちょうど良い所でストップスクリュを締めるとスロットルシャフトとの接合が復元されスロットルシャフトとリンクするようになる。最後にロックナットを締めてストップスクリュを固定する。

注意点

CR29はノーマルインシュレータが使えるのでバキュームゲージアタッチメントは最初から付いているが、CR33など一回り大きいサイズのインシュレータを使うCRはアタッチメントが付いていないものがある。その場合はアタッチメントのついたインシュレータに変えるかスピゴット(アダプター)にアタッチメントが付いている物に替えるか 、もしくはテーパースピゴット(テーパーアダプター※)といって、外形はCR29のスピゴットなんだけど、内径は33パイから29パイにテーパー状に細くしていく構造のスピゴットが存在する。外形は29なのでノーマルインシュレータがそのまま使える。どんな影響がセッティングに反映するかは入手して調べてみないとわからない。今のところは「こんなアダプターもあるよ。」って説明しか出来ない。

※2005年入手済み。 CR33で手軽に同調取れるようになったが効果の増減は不明。


針金を使った同期調整(簡易調整)

CRキャブレターを車体から外し、全てのトップカバーを外してロックナットを緩め る。

ロックナットを緩めてマイナスドライバでストップスクリュを緩める。スロットルバルブは手で動かせるようになるので目いっぱい下げる。そして軽くロックナットを締めてスロットルシャフトとリンケージアームを仮固定する。

0.3から0.7mmくらいの針金を用意してスロットルバルブとキャブレターボアーの底部に挟み込む。
ロックナットをいったん緩めてすぐに締めると針金の高さでスロットルバルブが固定される。その後吸入側を下に向け、ロックナットを緩めていって針金の落ちた場所でストップスクリュを締め る。他の気筒分のCRも同じように設定していく。


フルスロットルでバルブの開度が違う場合

中古品などに多いらしい。下(スロー時)は合っていても上(フルスロットル時)だと各気筒でスロットルバルブがちぐはぐなったりする。この現象はCRどうしを止めてる アルミステーに曲がりが出るとおこる現象らしい。特にCRは新品でもきちんと同調が取れていない場合がある模様。


油面調整

CRをフロートの取り付け位置を下にして15-30度傾ける。
フロートがパカっと落ちてしまう直前まで傾けると言った表現の方が解り易いかもしれない。

ゲージを当てて、ボディーからフロート下部までを測る。ゲージの値が14mm、+-1mmなら油面は適切な高さとなる。

 

もし、ゲージの値が14mm、+-1mmを外れていたら、フロートバルブのピンを押しているフロートのリップを曲げて調整する。


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