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Kawasaki Z1000 1979,1980 Model
KEIHIN CR special Report


CRスペシャルセッティングガイド


CRセッティングガイド

最低基準

セッティングの準備

 ベストに近いセッティングを出すための最低条件として以下の事項がクリアしていることが前提。
 エンジンが良好に動くために必要とされる要素は”よい混合気”、”よい圧縮”、”よい火花(点火)”と言われている。
 この段階のあなたのCRはまだ”悪い混合気”なので、最低でも他の2つは問題ないようにしておく。

  • アイドリング(スロー)の持続 必ずしもマニュアル規定値ではなく1000-2500回転でストールしなければ良い

  • 4連バキュームゲージでのキャブレター同調が取れている。(目盛の値は関係ない)

  • 点火時期が適正。

  • フロート室の油面が適正。

  • 新しいフューエルフィルターが装備されている。

  • コンディションが良好なエンジン。オイル下がり・上がり現象がまだ起きていないエンジンのこと。

  • 圧縮圧力が4気筒とも適正。

  • セルモータが機能していること(キックがあればセルがなくてもいいけどお百度は神社でしましょう・・・・。疲れます)

  • バッテリーが機能していること

  • キャブ換装の前は完動車であること

  • 点火プラグは純正指定新品が装着されていること

 機械的な基準以外にも知っておかなければならない事項

  • キャブレター(気化器)の構造・機能が理屈で理解出来ていること。

  • 混合気の特性を知っていること。

  • 空気と温度の関係が理解できていること。

  • 季節と天候の関係が理解できていること。

 セッティングの準備

  •  スロットル周りに開度が判別しやすい目盛をつける。

  •  エアスクリュー(SJ)はCRの規定位置である一回転戻しにする。

自動車の整備書によるとエンジンを効率よく動かす為には混合比(空燃比)の割合を14.5対1にするのがイイらしいのでキャブの動きがどんな時でも混合気をこの比率にすればうまくセッティングが出せると思うのだが、それならとっくに測定機器を持つキャブレター製造会社でセッティングして出荷してるはずだからこれはあんまり役に立たない情報かな。ここらへんの話はあんまり詳しくないのでワカリマセ〜ン。

エンジン始動

新品購入の場合は車種別に製造元のケイヒンキャブレターである程度のセッティングは一応行ってから出荷しているようだ。当たり前だがセッティング値は物凄く濃い。これは薄いとエンジンへ負荷が掛かるためか、セッティングの基本”濃い目から薄くしていく”のが前提だからか?購入したCRはポン付け後すぐにエンジンを掛けることが出来た。

どうしても掛からないときは

ガソリンがキャブまで到達しているか確認

プラグの状態を確認

状態 プラグがかなり湿っている プラグは乾いている
対処 1 エアスクリュー(AS)を3回転戻す。 エアスクリュー(AS)を3/4締める
対処 2 スロージェット(SJ)の番数を下げる スロージェットの(SJ)番数を上げる
原因 濃い 薄い

※注意点※
エアスクリューは締め・緩めとも1/4単位で行うらしいのだが、1/8でもイイみたい。
基準は一回転戻しなのでそれから締めは3/4、緩めは3回転までが限度。
この範囲で調整できなければスロージェット(SJ)番数を替える
必ずメモを取りましょう。

アイドリング Z系のアイドリング規定値は1018-1500回転。ここの範囲に回転を合わせてエンジンの状態を見る。
エンジンの状態を確認
状態 放って置くとエンストする
音が重い アフターファイヤ発生
マフラーから黒煙が出る
回転が不安定
対処 1 エアスクリュー(AS)を緩める エアスクリュー(AS)を締める
対処 2 スロージェット(SJ)の番数を下げる スロージェットの(SJ)番数を上げる
原因 濃い 薄い

いい感じが出てきたら空ぶかしをしてみる。このとき回転の戻りが悪かったら混合気はまだ薄いので更なる調整が必要。

なんか変だなと感じたらエアスクリュー(AS)を各1気筒だけ派手に回してやる。(元の値はちゃんとメモっといてね)いくら回してもエンストしたり変化がない気筒はプラグを見るべし。電極が真っ黒だったり、湿っているときは混合気が濃い。逆に薄い場合のプラグの焼け方は電極が白くなる。言うまでもないがベストはきつね色です。このような時は10番位大幅にSJを変えてみることが必要らしい。オレは経験なし。

※注意点※
エアスクリューは締め・緩めとも1/4単位で行うらしいのだが、1/8でもイイみたい。
基準は一回転戻しなのでそれから締めは3/4、緩めは3回転までが限度。
この範囲で調整できなければスロージェット(SJ)番数を替える
必ずメモを取りましょう。

超低速走行

スロー(アイドリング)が安定したら今度はゆっくりとクラッチを繋げて人の歩く速さぐらいでノロノロ走ってみる。

エンジンの状況を確認
状態 エンストしやすい アフターファイヤ
マフラーから黒煙が出る
スロットルを大きく開けないと走らない
回転数が落ちにくい
対処 1 エアスクリュー(AS)を緩める エアスクリュー(AS)を締める
対処 2 スロージェット(SJ)の番数を下げる スロージェットの(SJ)番数を上げる
原因 濃い 薄い

※注意点※
エアスクリューは締め・緩めとも1/4単位で行うらしいのだが、1/8でもイイそうですよ。
基準は一回転戻しなのでそれから締めは3/4、緩めは3回転までが限度。
この範囲で調整できなければスロージェット(SJ)番数を替える
必ずメモを取りましょう。

スロットル開度
1/8〜1/2
街乗りや渋滞時をなどによく使うポジション 
状態 回転がついてこない、遅い、 加速が悪い ノッキング、息つき、いきなりエンジンが止まってしまう
対処 ジェットニードル(JN)の番数を下げる(外径を太くする) ジェットニードル(JN)の番数を上げる(外径を細くする)
原因 濃い 薄い

ギアを一速上げてからアクセル1/2開けてみてノッキングしなければ薄い方はOK!

※注意点※

ここまではエアスクリュー・スロージェットのセッティング効果も影響するので、スロー・超低速・スロットル開度1/2と3セクション総合でのセッティング状態を見ることが大事。ジェットニードルのテーパ角はスロットル開度1/4上あたりから影響してくるがここでは特に気にしないこと。
ここでセッティングが出ないからといってむやみにニードルクリップの位置を変えては絶対いけません。
我慢しましょう。スロットルは優しく握ってゆっくりと開度1/2まで開いていくことがポイントです。アセらずに。
必ずメモを取りましょう。

スロットル開度
1/4〜3/4
信号急発信時やトロい車を追い越すときよく使うスロットル開度です。
状態 回転がついてこない、遅い
加速が悪い
ノッキング、息つき、いきなりエンジンが止まってしまう バックファイヤ
対処 ジェットニードル(JN)のクリップ段数を一段上げる ジェットニードル(JN)のクリップ段数を一段下げる
原因 濃い 薄い

※注意点※
クリップは一段変えただけでも結構違いがわかります。アセらないで一段づつ様子を見ていってね。ナゼ、クリップの位置を変える事がJNテーパ−角に影響するのかなどが理解できればここは簡単にクリアすると思う。スロットル開度1/8〜1/2のセッティング効果も影響するので開度総合でのセッティング状態を見ることが大切なポイント。
必ずメモを取りましょう。

MJセッティング
準 備

MJセッティングの前に普通に走ってガバッと急激にスロットル全開にして見よう。このときの症状で問題がなければメインジェットのセッティングに入る。
これはクリップ段数とメインジェットの番数がマッチしているかを調べる作業。(JNとMJの役割受け渡しの確認) 別に全開走行でメインジェットのセッティングを先にやってもいいと思うんだけど、走りづらいし・・・。

状態 反応が鈍い、失速する。 バックファイヤ 息つき
対処 ジェットニードル(JN)のクリップ段数を一段上げ、メインジェット(MJ)の番数を下げる ジェットニードル(JN)のクリップ段数を一段下げ、メインジェット(MJ)の番数を上げる
原因 濃い 薄い

この現象は混合気が濃い場合と薄い場合に発生するそうだ。実際にはMJの番数を下げたら解決した。クリップはそのままの位置。

スロットル全開

サーキットやダイノマシンなどのシャーシダイナモ、高速道路や幅の広い安全な道路?でやるしかないけど高速道路での常識的なスピード違反(?そんなのあるのかな?)位でも大体の感じは掴めると思う。

状態 最高速が伸びない
最高速の頭打ちが早い
フケが悪い
プラグが黒い
ノッキング
息つき
オーバーヒート
プラグが白く焼ける・溶ける
対処 プラグの色を見ながらメインジェット(MJ)の番数をきつね色になるまで下げる
一番下げても変わらないときは5番手位いっぺんに下げてみる
プラグの色を見ながらメインジェット(MJ)の番数をきつね色になるまで上げる
一番下げても変わらないときは5番手位いっぺんに上げてみる
それでも薄いときは燃料系の再チェックが必要
原因 濃い 薄い

プラグのやけ色の見方は、最高速付近でクラッチ切ってエンジンカットしてプラグの状態を確認するのが確実なんだけど危ないですね。以前試した中で低速なギアでエンジン回転だけ引っ張ったりしてもきちんとしたセッティングが出たことはないです。
20年以上前製造とはいえ、リッターバイクの最高速なんてサーキットでもない限り怖くて出せない。当然管理人含め、素人では高回転・高速巡航時のノッキング発生はわからないだろうと思います。やはり一番判りやすいのが大体のプラグのやけ具合で判断することだと思います。それと薄すぎのオーバーヒートには注意しましょう。そのまま気が付かずに走っていると高熱でオイルシールがやられてたりとエンジンは要OHになってしまう。

セッティング終了

いろいろ走ってみて問題ないかどうかを確認しておく。 後できっと役に立つので取ったメモは必ず整理して保管しておくこと。ダイノマシンとかに掛けてみて成果を数値で知っておくのもいいかも。

※(都合上、別ページ”CR導入ガイド”と一部、重複している個所があります)


セッティングで困ったら・・・・。

面倒臭いけどはじめからやり直し、今までのデータは全部捨てる。もう一度よくキャブレターの仕組みや、混合気の特性などを復習し直すこと。何かが抜けてる場合が多いと思う。(オレの場合はそれで何度も悩みました) 


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